日本版 FIT制度が始まった!

11月1日から太陽光発電で発電した電力を電力会社に買取りを義務付ける固定価格買取制度、日本版フィード・イン・タリフ(FIT)制度が始まった。
今までも太陽光で発電した電力は電力会社の売電料金と等しい価格で買取ってくれていたが、義務付けられていた訳ではなく、言わば電力会社のボランティアによるものだったらしい。
9月の中頃、新しい制度の契約書が北陸電力から送られて来て、署名捺印して返送した。
それによると、これからは今までの2倍の 1キロワット時当たり48円で10年間買取ってくれるらしい。
当然、北陸電力はその分赤字になる。これを広く全需要家に負担してもらうという制度だ。

科学雑誌「Newton」9月号はちょうど「太陽光発電」を特集していた。
それによると、売電料金より高い価格で買い取る制度はドイツが発明(?)した制度だという言う。
ドイツでは売電価格の4倍で買取ることを 20年間義務付けたフィード・イン・タリフ(FIT)制度を 2004年から実施しているそうだ。
これによって、一般家庭ではお金を銀行に預けておくよりも太陽光発電パネルを屋根に乗せた方が得だということになって爆発的に普及し、2005年までは日本が世界一だった太陽光発電が、ドイツ、スペインに抜かれて世界第3位になってしまったそうだ。

私が、2004年に太陽光発電パネルを設置した時は、国と地方自治体から補助金を貰った。
補助金は税金を使うわけだから枠があり、先着順か抽選になる場合がある。町からの補助金は5人の枠に6人が応募して抽選だった。
ドイツの FIT制度は税金を使わない。
国は制度だけを作り、税金を使わないところがすばらしい!!
しかもこの制度で一気に世界一にまで普及させてしまったのだから凄い!!
2008年の時点で、ドイツには世界の半分の太陽光発電パネルが集中しているそうだ。

10月31日のNHK「経済ビジョンe」でも太陽光発電の話をしていた。
11月1日から始まった日本版 FIT 制度によって、平均的な世帯の電気料金は1ヶ月当たり30円程度の負担増になるらしい。
番組では太陽光発電装置を設置することは、次の世代の地球環境のための投資だという表現を使っていた。
太陽光発電をしていない人にも年間 365円の地球環境のための投資をお願いするのが今回の制度だと言っていた。

今までは太陽光発電は「損か得か?」で考えれば、「得」をするような代物ではなかった。
装置の寿命の20年間では元が取れないだろうと思っていた。台風などで破損すれば確実に損をすることになる。

ドイツのFIT制度は、発電した電気の全部を電気代の4倍の価格で買取る全量買取りを義務付けている。
一方日本の場合は発電した電力から自家消費分を差し引いて、電力会社に逆送電する余剰電力を2倍の価格で買取るという制度で、しかも期間は半分の10年間だけである。

ドイツの制度に比べて、やや貧弱ではあるが、それでも今回の制度で状況はかなり改善されると思う。
損することを覚悟で、孫の時代の地球環境のために少しでもCO2削減に貢献しようと思って設置したが、日本版FIT制度には大いに期待したい。

太陽光発電パネルは当然真南に向けて設置した方が効率は良い。
先に紹介した「Newton」9月号によると、方角による効率は、真南を100%とした場合、
45度の南東・南西は96%
90度の東・西は85%
反対側の北側でも66%の効率が得られるらしい。

また、最適な傾斜角度は札幌が35度、東京が30度、沖縄が20度だというから、東京と緯度が等しい福井は30度が最適な角度と言える。
幸い屋根の角度は大体30度ぐらいだと思う。

瀬戸市の友人の話によると、太陽電池は一般的に温度が1℃上昇すると発電効率が0.5%低下するらしい。
右の画像はその友人が撮影した愛知池に浮かぶ太陽光発電装置だが、夏は池の水をかけて太陽電池パネルを冷やすようになっているらしい。
愛知池=愛知県日進市と東郷町・三好町にまたがる愛知用水の調整池)

「Newton」の記事によると、ゴビ砂漠の半分を太陽光発電で覆えば、全世界の電力を賄える発電量が得られるという。
もし、世界の砂漠に巨大太陽光発電所を分散建設し、送電ロスがゼロの超電導ケーブルで送電すれば夜間の死角も解消できる。
この計画に必要な面積は世界の砂漠面積のわずか4%に過ぎない。
これは、1989年オーストラリアで開催された国際会議で太陽光発電研究所の桑野理事長が提唱した「ジェネシス計画」というもの。
世界の砂漠の4%の面積に太陽光発電を分散設置すれば、人類は半永久的なエネルギーを手にすることができるという。

このときの試算に使用した太陽電池の効率は10%で、既に開発済み。また、超電導送電ケーブルは2006年からアメリカで日本企業による実用的な実験が始まっているという。
現在の太陽光発電コストは電力会社の売電価格の約2倍。
数年後には電力会社の売電価格並みの1キロワット時あたり23円を実現し、2017年には1キロワット時あたり17円、2025年には7円を達成することが目標とされてる。
そして、2050年には日本で消費する全電力量の 5~10%は太陽光発電でまかなえるほどになるという。

今後、太陽光発電市場は確実に成長を続けると思う。
日本はその技術で世界をリードしてほしい。
太陽電池の主な材料はシリコン(ケイ素)だ。ケイ素は極ありふれた元素で地殻の中で酸素の46.4%に次いで多い物質で28.2%も含まれているという。鉄の5.6%より遥かに多い。
ところが、太陽電池に使われる高純度(99.9999%以上)のシリコン結晶は不足していて、世界での奪い合いが激化し入手が困難となり、太陽電池のトップメーカーであるシャープなどは苦戦を強いられていると聞く。

現在一部の家電製品(エアコン・TV・冷蔵庫・洗濯機など)でリサイクルが行われているが、すべての電気製品でリサイクルを行う必要がある。
いわゆる「都市鉱山」の開発だ。ゴミにしてはあまりにも勿体ない資源が街中にはあふれている。
家電ゴミをゴミにしない廃棄品のリサイクルシステムを早急に作る必要があるが、行政は遅いし、我々は何をどこへ持って行けばいいのか、分からない。

※ このページの内容は科学雑誌「Newton」2009年9月号「太陽光発電特集」の記事を引用しました。
データ
  • 2009.11.05(木)
ほかの参考サイト
アーカイブ

現在位置: ホームなんでも日記メニュー > このページ